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教育・文化・スポーツ

ちょっと寄り道(金郷地区)

「広報ひたちおおた」で連載中のコーナー「ちょっと寄り道」で紹介した地域の見どころを紹介します。

 

金郷地区

写真 地域名 見どころ
  竹合町

竹合上の観音さん

竹合町の大通りから西へ50メートルほど入った小高い丘の小さな観音堂には,地元で「観音さん」と呼ばれている5つの石仏があります。観音さんは,立って赤ん坊を抱いているものや,頬杖をついているもの,両手を合わせて拝んでいるものなど様々で,どの観音さんも顔が優しく,人を引きつけます。二昔前までは,集落の結婚している若い女性たちが春4月と秋11月の19日前後に,神事と称して安産や子育てを願い,十九夜講を行っていました。当番の家で餅をつき,けんちん汁をつくり,子どもたちと一緒に食事や雑談をしながら体を休め,最後にみんなで観音さんをお参りして散会していたそうです。今ではその風習はなくなりましたが,ときどき思い出したように参拝する人がおり,地元では心のよりどころになっています。

吉田神社 箕町

吉田神社

箕町には,南方からの玄関口に「吉田神社」があります。吉田神社は,1166年仁安元年に,佐竹三代隆義により創建されて以来,春夏秋冬の祭礼等の神事を中心に老若男女が境内に集い,この地域に住む者の心的・物的よりどころとなっていた神社です。私がまだ子どもだった昭和30年頃は,神社の境内は子どもたちの遊び場として賑やかだったものです。現在でも,境内の清掃作業を皆で行い,地域の歴史の再確認をしながら,今後の生活の糧となる情報交換を行っています。

 仁王門 下利員町

西光寺の仁王門

下利員町の西光寺には,「木造薬師如来坐像」と「木造仁王像」の貴重な文化財があります。西光寺は大正時代の火災で,現存する仁王門を残し,本堂や薬師堂を消失してしまいました。現在は収蔵庫の周りに薬師堂の礎石が残り,当時をしのばせます。寺の周辺は公園になっていて,町民が樹木の伐採や草刈りをして整備しています。四季折々,景観を楽しめますが,春の桜と秋の彼岸花は特に見事で,隠れた名所となっています。

 菩薩観音 岩手町

観音菩薩

岩手町の中坪には,安産や子育ての観音菩薩様として伝えられている,きれいな優しい顔をした観音菩薩様があります。昔は,毎年旧6月の御縁日には夜祭を,夏には盆踊りなど様々な行事が催され,地域の方々のコミュニケーションの場でもありました。現在はいつの間にか時代の流れと共に参拝者も少なくなりましたが,観音菩薩様は静かに地域の安泰と子どもたちの成長を見守っていくださっていることと思います。また,疫病を防ぐ行事として百万遍という,老人の方々が数珠を持って一戸一戸廻り,念佛を唱えながら輪になって数珠を廻し,疫病除けとして地域全戸で百万の数珠が廻されたそうです。そのような信仰で疫病が防げたかどうかはわかりませんが,昔は医者も少なく,信仰に頼らざるを得なかったことでしょう。そんな百万遍が現在も継承されて行われていることを嬉しく思います。

 大越ノ堰 高柿町

大越ノ堰

山田川が大きく折曲するところに大越ノ堰があります。元の堰は,江戸時代初期ごろ,現在地より数百メートル下流に簡単なもので造られていたと言われています。その後,昭和24年の台風で大きく破損し,昭和25年に現在の堰が建設されたと記念碑に記されています。現在も,下流域の高柿・大方町の水田約35町歩を潤す灌漑施設として利用されています。また,奈良時代の文書「常陸国風土記」の中には,猛暑の時に上流付近の「石門(いわと)の潭(ふち)」へ涼を求め人々が集まり,酒を飲み筑波の歌を歌いながらひとときを楽しんだことが記されています。古代のロマンが感じとれる場所ですので皆さんも一度立ち寄ってみてください。

なかとし 中利員町

日蓮宗「開會山常寂光寺」

利員城跡の南方の尾根に,「日蓮宗 常寂光寺」があります。300数十年前の元禄の時代,徳川光圀公に招かれた日周上人が,それまで鷺(さぎ)寺と呼ばれていたこの寺を新たに開山し,光圀公は久昌寺(新宿町)の末寺としました。境内には七面堂もあり,日蓮宗の守護神「七面大明神」が祀られています。また,光圀公がこの地を訪れた際,見事に咲いた枝垂(しだ)れ桜(糸桜)に感激し,「法の華ひもとく庭の糸桜 長きちぎりを我れを結ばむ」と詠んだといわれており,今でも境内の碑にその詩が刻まれています。現在,境内にある枝垂れ桜は二代目にあたります。決して派手さはありませんが,ロケーションもよく,歴史や格式を感じることのできるお寺です。

元金砂神社 千寿町

元金砂神社

元金砂神社は大同元(806)年に創祀した歴史ある神社です。一説によると,宝珠上人が現在の滋賀県の日吉山王権現を遷して祭ったのが始まりと言われています。
かつては,石段を登り切ったところから海が見え,遠くからも参拝者が来ていたそうです。東金砂神社と西金砂神社は,こちらの元金砂神社から派生したものと言われており,小祭礼では元金砂神社が鎮座する山に向かって礼拝をしています。
例祭は年2回あり,春と秋に氏子総代を中心に行っています。令和3年2月に,樹齢千年を超えるとされるイチョウの御神木が強風により倒れ,拝殿を直撃してしまいましたが,氏子や町内の皆さんの協力のもと,6月には見事拝殿を再建することができました。倒れてしまった御神木からは,新しい芽が育ち始め,私たちへ力強く温かなエネルギーを与えてくれているように感じます。

 

問い合わせ先

このページに関するお問い合わせは文化課 エコミュージアム推進室です。

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