○常陸太田市宅地開発事業の適正化に関する条例
平成17年3月29日
条例第2号
(目的)
第1条 この条例は、宅地開発事業の施行に関し、必要な基準等を定めて、その適正な施行を確保することにより、開発区域及びその周辺の地域における災害を防止するとともに、良好な居住環境の整備を図り、もって市民の福祉の増進に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「宅地開発事業」とは、主として建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物(以下「建築物」という。)の建築の用に供する目的で行う一団の土地の区画形質の変更に関する事業をいう。
2 この条例において「開発区域」とは、宅地開発事業を行う土地の区域をいう。
3 この条例において「事業主」とは、宅地開発事業に係る工事(以下「工事」という。)の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自ら工事を施行する者をいう。
4 この条例において「工事施行者」とは、宅地開発事業の工事の請負人又は請負契約によらないで自ら工事を施行する者をいう。
(適用事業)
第3条 この条例は、次の各号のいずれかに該当する宅地開発事業を除き、0.5ヘクタール以上1ヘクタール未満の一団の土地に係る宅地開発事業について適用する。
(1) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第2項に規定する都市計画区域(以下「都市計画区域」という。)又は同項に規定する準都市計画区域(以下「準都市計画区域」という。)内における宅地開発事業(開発区域が同法第7条第2項に規定する市街化区域、同条第1項に規定する区域区分が定められていない都市計画区域又は準都市計画区域のうち1以上の区域と都市計画区域及び準都市計画区域外の区域とにわたる宅地開発事業で、都市計画法施行令(昭和44年政令第158号)第22条の3第1項各号に掲げる要件のいずれにも該当するものを除く。)
(2) 過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法(令和3年法律第19号)の規定に基づき過疎地域とみなされる区域(以下「過疎区域」という。)における宅地開発事業(開発区域が過疎区域と過疎区域以外の市の区域における都市計画区域及び準都市計画区域外の区域とにわたる宅地開発事業であって当該都市計画区域及び都市計画区域外の区域における開発区域の面積が0.5ヘクタール以上1ヘクタール未満であるもの及び前号に規定する宅地開発事業を除く。)
(3) 農業、林業又は漁業の用に供する建築物で規則で定めるものの建築の用に供する目的で行う宅地開発事業
(4) 非常災害のため必要な応急措置として行う宅地開発事業
(5) その他公益上必要な建築物の建築の用に供する目的で行う宅地開発事業で規則で定めるもの
(令3条例19・一部改正)
(責務)
第4条 宅地開発事業を行おうとする者は、宅地開発事業の計画を策定しようとするときは、当該計画が市の定める土地利用に関する計画その他の施策と調和するように努めなければならない。
(設計の基準)
第5条 事業主は、工事の設計(以下「設計」という。)を定めるに当たっては、別表に定める設計基準(以下「基準」という。)に適合するようにしなければならない。
(設計の確認)
第6条 事業主(国、地方公共団体その他規則で定める公共的団体を除く。以下同じ。)は、工事を施行しようとするときは、当該工事に着手する前に、その設計が基準に適合するものであることについて、市長の確認を受けなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 開発区域(開発区域を工区に分けたときは、開発区域及び工区)の位置、区域及び面積
(3) 工事の着手及び完了の時期
(4) 開発区域の敷地(建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第1条第1項に規定する敷地をいう。以下同じ。)の区画数及び予定建築物の用途
(5) 請負契約によって工事を施行しようとする場合は、当該工事の請負人の氏名及び住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
3 市長は、前項の規定による確認申請書を受理した場合において、設計が基準に適合することを確認したときはその旨を、適合しないことを認めたときはその旨を、当該確認申請書を提出したものに通知しなければならない。
(設計の変更)
第7条 事業主は、第6条第1項の規定による確認を受けた設計を変更しようとするときは、当該変更に係る部分の工事に着手する前に、当該変更に係る部分の設計が基準に適合するものであることについて、市長の確認を受けなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更をしようとする場合は、この限りでない。
(防災等の措置)
第9条 事業主又は工事施行者は、工事の施行に当たっては、当該工事に係る開発区域及びその周辺の地域において、次の各号に掲げる事態を生じさせないように、適切な措置を講じなければならない。
(1) 土砂くずれ、出水等による災害が生ずること。
(2) 河川及び水路の利水又は排水に支障を及ぼすこと。
(3) 排水路その他の排水施設の使用に支障を及ぼすこと。
(4) 交通に支障を及ぼすこと。
2 事業主又は工事施行者は、工事を廃止し、又は中止しようとするときは、当該工事に係る開発区域及びその周辺の地域において、前項各号に掲げる事態を防止するため、必要な措置を講じなければならない。
(変更等の届出)
第10条 事業主は、次の各号に掲げる場合においては、遅滞なく規則で定めるところによりその旨を市長に届け出なければならない。
(1) 第7条第1項ただし書の規定による軽微な設計の変更をしたとき。
(2) 工事施行者を変更したとき。
(3) 工事の着手又は完了の時期を変更しようとするとき。
(4) 工事を2月以上中止し、又はその工事を再開しようとするとき。
(5) 工事を廃止しようとするとき。
(工事の完了検査)
第12条 事業主は、開発区域(開発区域を工区に分けたときは、その工区)の全部について工事が完了したときは、遅滞なく規則で定めるところによりその旨を市長に届け出なければならない。
3 市長は、前項の規定により検査済証を交付したときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、当該工事が完了した旨を公告しなければならない。
(1) 当該宅地開発事業に関する工事用の仮設建築物を建築するとき、その他市長が支障がないと認めたとき。
(2) 当該開発区域内の土地につき当該開発区域に係る宅地開発事業の施行又は宅地開発事業に関する工事の実施の妨げとなる権利を有する者(当該宅地開発事業の施行又は宅地開発事業に関する工事の実施について、事業主に対し同意を与えた者を除く。)が、その権利の行使として建築物を建築するとき。
(監督処分)
第14条 市長は、工事がこの条例の規定に違反して施行されたときは、当該宅地開発事業の事業主、工事施行者又は工事管理者に対して、当該工事の停止を命じ、又は相当の期限を定めて、その違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
2 市長は、災害を防止するため、緊急に前項の措置を命ずる必要がある場合において、当該措置を命じようとする者が工事の現場にいないときは、当該工事に従事するものに対し、作業の停止を命ずることができる。
(立入検査)
第15条 市長は、前条に規定する権限を行う必要がある場合においては、その職員に開発区域内の土地に立ち入らせ、工事の状況を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をするときは、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
(平19条例13・一部改正)
(報告の徴収等)
第16条 市長は、この条例の施行に必要な限度において事業主又は工事施行者に対し、工事に関し、報告又は資料の提出を求めることができる。
(公示板の設置)
第17条 市長は、第14条の規定による命令をした場合において、特に必要があると認めるときは、当該開発区域内の土地に立ち入り、規則で定める公示板を設置することができる。
(施行の確保)
第18条 市長は、この条例の規定に違反して工事を施行した事業主又は工事施行者に対しては、この条例の適正な施行を確保するため、必要な行政措置を講じなければならない。
(地位の継承)
第19条 第6条第1項の規定による確認を受けた者の相続人その他一般承継人は、被承継人が有していた当該確認に基づく地位を継承する。
2 第6条第1項の規定による確認を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権その他当該宅地開発事業に関する工事を施行する権原を取得した者は、市長の承認を受けて、当該確認を受けた者が有していた当該確認に基づく地位を承継することができる。
(委任)
第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(罰則)
第21条 次の各号の一に該当する者は、10万円以下の罰金に処する。
(1) 第14条第1項の規定による命令に違反した者
(2) 第15条第1項の規定による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第22条 次の各号の一に該当する者は、5万円以下の罰金に処する。
(2) 第13条の規定に違反して、建築物を建築した者
(3) 第14条第2項の規定による命令に違反した者
第23条 次の各号の一に該当する者は、1万円以下の罰金に処する。
(2) 第16条の規定による報告若しくは資料を提出せず、又は虚偽の報告若しくは虚偽の資料を提出した者
(両罰規定)
第24条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前3条の違反行為をした場合においては、行為者を罰するほかその法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年4月1日から施行する。
3 この条例の施行の際、現に工事に着手している宅地開発事業の事業主は、この条例の施行の日から起算して30日以内に、第6条第2項に掲げる事項を記載した届出書に規則で定める図書を添えて市長に提出しなければならない。
(常陸太田市手数料条例の一部改正)
4 常陸太田市手数料条例(平成12年常陸太田市条例第7号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(平成19年条例第13号)
この条例は、平成19年4月1日から施行する。
附則(令和3年条例第19号)
この条例は、公布の日から施行する。
別表(第5条関係)
区分 | 設計の基準 | |||||
1 街区 |
| ア 街区は、幅員6m(小区間で通行上支障がない場合は、幅員4m)以上の道路に接していること。 イ 街区の規模は、土地利用目的、地形、日照等を勘案して定められていること。この場合において、住宅にあってはおおむね長辺120m以内、短辺30m以上35m以内の長方形を標準としていること。 | ||||
2 宅地 |
| 一宅地の面積は、200m2(開発区域の周辺の宅地の状況によりやむを得ないと認められるときは、165m2)以上であること。 | ||||
3 道路 | (1)幅員等 | ア 道路の幅員は6m(小区間で通行上支障がない場合は、幅員4m)以上であること。 イ 主要な道路は、開発区域外の平均車道幅員5.5m以上の道路(開発区域の周辺の道路の状況によりやむを得ないと認められるときは、車両の通行に支障がない道路)に接続していること。 ウ 幅員9m以上の道路は、縁石線、さくその他これらに類する工作物によって歩車道が分離されていること。 | ||||
(2)構造 | 道路は、アスファルトと同等以上の強度及び耐久力を有する舗装その他安全かつ円滑な交通に支障を及ぼさない構造であり、かつ、雨水等を有効に排水するため必要な側溝、街きょその他適当な施設が設けられていること。 | |||||
(3)行き止り道路 | 道路は、行き止り道路でないこと。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 ア 当該道路について他の道路(行き止まり道路を除く。)との接続が予定されていること。 イ 道路の終端に自動車の転回に支障がない空地(以下「回転広場」という。)を設けた場合であって、道路の延長が35mを超え100m以下で、かつ、その幅員が6m(道路の区画35m以内ごとに回転広場を設けた場合は、4m)以上であること。 ウ 道路の延長が35m以下で、かつ、その幅員が4m以上であること。 | |||||
(4)すみ切り | 道路が同一平面で交差し、又は屈折する場合は、その角地には適当な長さのすみ切りが設けられていること。 | |||||
(5)階段道路 | 道路は階段状でないこと。ただし、もっぱら歩行者の通行の用に供する道路で、通行の安全上支障がないと認められる場合は、この限りでない。 | |||||
(6)防護施設 | 道路が屈折し、又は道路に接してがけ、水路等があるため、交通上危険のある箇所には防護さくその他適当な防護施設が設けられていること。 | |||||
(7)勾配 | 道路の縦断勾配は9%以下であり、横断勾配は適当な値であること。ただし、縦断勾配については、地形等によりやむを得ないと認められる場合は、小区間に限り12%以下とすることができる。 | |||||
4 公園等 |
| ア 開発区域内にその面積の合計が開発区域の面積の3%以上の公園、緑地又は広場(以下「公園等」という。)が設けられていること。ただし、開発区域の周辺に相当規模の公園等がある場合、予定建築物の用途が住宅以外のものであり、かつ、その敷地が一である場合等開発区域の周辺の状況並びに予定建築物の用途及び敷地の配置を勘案して特に必要がないと認められる場合は、この限りでない。 | ||||
5 排水施設 | (1)設置 | ア 排水施設は、5年に1回の確率で想定される降雨強度値以上の降雨強度値を用いて算出した計画排水量並びに生活又は事業に起因し、又は付随する廃水量及び地下水量から算定した計画汚水量を有効に排出する構造及び能力を有すること。 イ 開発区域内の廃水施設は、放流先の排水能力、利水の状況その他の状況を勘案して、当該開発区域内の下水(雨水、処理された汚水等)を有効かつ適切に排出できるように、下水道、排水路その他の排水施設又は河川その他の公共の水域若しくは海域に接続していること。この場合において、放流先の排水能力によりやむを得ないと認められるときは、当該開発区域内において一時雨水を貯留する調整池その他の適当な施設を設けることを妨げない。 | ||||
(2)構造 | ア 排水施設は、堅固で耐久力を有する構造であること。 イ 排水施設は、コンクリート、れんがその他の耐水性の材料で造り、かつ、漏水を最小限度のものとする措置が講じられていること。 ウ 排水施設は、道路及び他の排水施設の維持管理上支障がない場所に設けられていること。 エ 排水施設の暗渠である構造の部分の内径又は内のり幅は、20cm以上であること。 オ 排水施設のうち、暗渠である構造の部分の次の箇所にはます又はマンホールが設けられていること。 (ア) 管渠の始まる箇所 (イ) 下水の流路の方向、勾配又は横断面が著しく変化する箇所。ただし、管渠の清掃に支障がないときは、この限りでない。 (ウ) 管渠の長さがその内径又は内のり幅の120倍をこえない範囲において管渠の維持管理上必要な箇所 | |||||
6 給水施設 |
| ア 公営水道のある区域における開発区域内の生活用水は、原則として当該公営水道の供給がうけられること。 イ 公営水道のない区域における開発区域の生活用水は、次の条件を満たす施設によるものであること。 (ア) 水質が衛生上適当なもの (イ) 水量が当該開発区域内に居住することが予定される人口に応ずる必要量を満たすもの | ||||
7 消防水利 |
| 開発区域又はその周辺の地域に消防水利として利用できる河川、水路、池沼等がない場合においては、規則で定めるところにより消防の用に供する水利施設等が設けられていること。 | ||||
8 地盤 |
| 地盤の軟弱な土地、出水のおそれがある土地又は著しく傾斜した土地等が開発区域に含まれているときは、地盤改良、盛土段切り等安全上必要な措置が講じられていること。 | ||||
9 擁壁 | (1)設置 | ア 開発区域内にがけ面があるとき又は切土若しくは盛土をした土地の部分にがけ面が生ずるときは、当該がけ面が擁壁で覆われていること。ただし、切土をした土地の部分に生ずることとなるがけ若しくはがけの部分で、次の一に該当するもの又は土質試験等に基づく地盤の安定計算により擁壁でおおう必要がないと認められるがけ若しくはがけの部分のがけ面については、この限りでない。 (ア) 土質が次の表の左欄に掲げるものに該当し、かつ、その土質に応じ勾配が同表の中欄の角度以下のもの (イ) 土質が次の表の左欄に掲げるものに該当し、かつ、その土質に応じ勾配が同表の中欄の角度をこえ同表の右欄の角度以下のもので、がけの上端から下方に垂直距離5m以内の部分 イ アただし書きの規定により擁壁でおおうことを要しないときは、石張り、芝張り等の処置によりそのがけ面が保護されていること。 | ||||
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| 土質 | 擁壁を要しない勾配の上限 | 擁壁を要する勾配の下限 |
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軟岩(風化の著しいものを除く。) | 60゜ | 80゜ | ||||
風化の著しい岩 | 40゜ | 50゜ | ||||
砂利、真砂土、関東ローム、硬質粘土その他これらに類するもの | 35゜ | 45゜ | ||||
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(2)構造 | ア 高さが2mをこえる擁壁の構造は、鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造、間知石練積み造その他の練積み造であること。 イ 擁壁は、壁面の面積3m2以内ごとに1個の耐水材料を用いた水抜穴(内径7.5cm以上)が設けられ、かつ、擁壁の裏面で水抜穴の周辺その他必要な部分には、砂利等の透水層が設けられていること。 | |||||
(3)地表水の処理 | 切土又は盛土をした土地の部分に生ずるがけ面の上端に続く地盤面は、特別の事情のない限り、そのがけの反対方向に雨水その他の地表水が流れるように勾配が設けられていること。 |