○常陸太田市中小企業・小規模企業振興条例

令和5年3月23日

条例第2号

(目的)

第1条 この条例は、中小企業及び小規模企業(以下「中小企業等」という。)の振興について、基本理念、市の責務及び中小企業等の振興に関する施策の基本となる方針を定め、中小企業等の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより、中小企業等の活性化を図り、もって本市経済の持続的な発展及び市民生活の向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 中小企業 中小企業基本法(昭和38年法律第154号。以下「法」という。)第2条第1項に規定する中小企業者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(2) 小規模企業 法第2条第5項に規定する小規模企業者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(3) 大企業 中小企業等以外の事業者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(4) 商工会 商工会法(昭和35年法律第89号)に規定する商工会であって、市内に事務所を有するものをいう。

(5) 金融機関 銀行法(昭和56年法律第59号)第2条第1項に規定する銀行、信用金庫法(昭和26年法律第238号)に規定する信用金庫、中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)第3条に規定する信用協同組合その他の法律に基づき金融業を営むもので、市内で事業活動を行うものをいう。

(6) 支援機関等 中小企業等の支援を行う機関及び団体(商工会及び金融機関を除く。)で、市内に事務所を有するものをいう。

(基本理念)

第3条 中小企業等の振興は、次に掲げる事項を基本理念として推進されなければならない。

(1) 中小企業等の自らの創意工夫及び自主的な努力が尊重されること。

(2) 地域経済の発展、雇用の創出又は市民生活の向上に資すること。

(3) 国、県、市、中小企業等、大企業、商工会、金融機関、支援機関等及び市民が中小企業等の役割の重要性を理解し、連携及び協力をすること。

(基本的施策)

第4条 市は、中小企業等の振興に関する施策の実施に当たっては、次に掲げる事項を基本として行うものとする。

(1) 経営基盤強化及び経営革新の推進に関すること。

(2) 新たな事業展開及び販路拡大の推進に関すること。

(3) 人材の確保及び育成の推進に関すること。

(4) 事業承継の円滑化の推進に関すること。

(5) 資金調達の円滑化の推進に関すること。

(6) 従業員の労働環境の整備及び仕事と生活の調和の確保に向けた取組みの推進に関すること。

(7) 創業の促進に関すること。

(8) 企業の誘致及び新産業の創出に関すること。

(9) 情報の収集及び提供に関すること。

(10) 前各号に掲げるもののほか、市長が基本理念の実現に必要と認めること。

(市の責務)

第5条 市は、基本理念にのっとり、中小企業等の的確な実態把握に努め、中小企業等の振興に関する施策を総合的に推進するものとする。

2 市は、施策を実施するために必要な財政措置を講ずるよう努めるものとする。

3 市は、工事の発注並びに物品及び役務の調達に当たっては、予算の適正な執行及び透明かつ公正な競争に留意しつつ、中小企業等の受注機会の増大に配慮するものとする。

4 市は、中小企業等が活力ある地域づくりへの貢献並びに地域住民の生活の向上、雇用の確保及び交流の促進に果たす役割の重要性について、市民への理解を深めるよう努めなければならない。

(中小企業等の役割)

第6条 中小企業等は、基本理念にのっとり、経済的社会的環境の変化に適応するため、自主的に経営の革新(法第2条第2項に規定する経営の革新をいう。以下同じ。)又は創業(法第2条第3項に規定する創業をいう。以下同じ。)、及び経営基盤の強化に努めるものとする。

2 中小企業等は、地域社会を構成する一員としての社会的責任を自覚し、地域づくりに積極的に取り組むとともに、環境との調和に配慮し、地域社会の維持及び発展に寄与するよう努めるものとする。

3 中小企業等は、雇用機会の確保及び人材の育成を図るとともに、従業員が生きがいと働きがいを得ることができる職場づくりに自主的に努めるものとする。

4 中小企業等は、市内の経済循環を促進するため、市内で生産、製造及び加工される製品並びに提供されるサービスの利用に努めるものとする。

5 中小企業等は、経営能力の向上を図るため、地域経済団体へ積極的に加入するよう努めるものとする。

(大企業の役割)

第7条 大企業は、基本理念にのっとり、その事業活動並びに地域の経済及び社会における中小企業等の重要性について理解を深め、中小企業等の持続的な発展に貢献するよう努めるものとする。

(商工会の役割)

第8条 商工会は、中小企業等の経営力の向上、経営の革新及び経営基盤の強化並びに創業等への支援に積極的に取り組むものとする。

2 商工会は、中小企業等の実態を把握し、要望を的確に捉え、商工会の事業活動に反映するよう努めるものとする。

3 商工会は、市が実施する中小企業等の振興に関する施策の推進に連携し、及び協力するよう努めるものとする。

(金融機関の役割)

第9条 金融機関は、円滑な資金の供給、経営相談その他の方法を通じて中小企業等が経営の革新及び経営基盤の強化並びに創業等に取り組むことができるよう支援に努めるものとする。

2 金融機関は、市が実施する中小企業等の振興に関する施策の推進について協力するよう努めるものとする。

(支援機関等の役割)

第10条 支援機関等は、中小企業等の経営の安定化並びに新たな事業展開等による経営改善及び向上の取組みを促進するため、必要な支援を行うよう努めるものとする。

2 支援機関等は、中小企業等の振興に関する施策の実施に協力するよう努めるものとする。

(市民の理解と協力)

第11条 市民は、中小企業等の振興が地域経済の発展及び市民生活の向上に果たす役割の重要性を理解し、中小企業等を支援する観点から市内で生産、製造及び加工される製品並びに提供されるサービスの利用に努めるとともに、中小企業等の振興に関する施策の実施に協力するよう努めるものとする。

(災害時等における事業継続)

第12条 市は、自然災害又は感染症等の影響により、中小企業等の事業の継続に影響が出ないよう、関係機関と連携し必要な施策を講ずるものとする。

(その他)

第13条 この条例に定めるもののほか、この条例に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、令和5年4月1日から施行する。

常陸太田市中小企業・小規模企業振興条例

令和5年3月23日 条例第2号

(令和5年4月1日施行)