○常陸太田市議会基本条例

平成24年9月28日

条例第24号

目次

前文

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条―第6条)

第3章 災害対応(第7条・第8条)

第4章 市民と議会の関係(第9条―第11条)

第5章 市長と議会の関係(第12条―第15条)

第6章 自由討議の保障及び拡大(第16条)

第7章 政務活動費(第17条)

第8章 議会及び議会事務局の体制整備(第18条―第20条)

第9章 議員の政治倫理,議員定数及び議員報酬(第21条・第22条)

第10章 最高規範性(第23条)

第11章 条例の検証及び見直し手続(第24条)

附則

常陸太田市議会(以下「議会」という。)は,市民の選挙により選出された議員により構成され,同じく市民の選挙により選出された市長との二元代表制であるとともに,市の最高の意思決定機関である。

議会は,市長その他の執行機関と緊張ある関係を保持し,市政運営について調査,監視及び評価を行うとともに,政策の立案及び提言を行うことが求められている。

地方分権が進展し,国から地方への権限移譲により,地方自治体の自己決定・自己責任の拡大が進む中で,これまで以上に地方議会が果たすべき役割及び責務が大きくなつている。

今後も議会の活性化を積極的に推進し,市政に対する市民の意思の反映に全力を尽くすため,ここに,議会の基本理念,議員の責務及び活動原則,議会運営の原則,議会と市民及び市長その他の執行機関との関係等に関する基本的事項を明らかにし,将来にわたつて市民の負託に応えられる議会を目指し,取り組んでいくことを決意するものである。

議会及び構成員である議員が活動していくにあたり,この理念と目的を達成するため,議会の最高規範として,ここに常陸太田市議会基本条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は,議会の運営全般に関する基本的事項を定め,二元代表制における意思決定機関として,市民に開かれた議会活動を行い,市民の福祉向上及び市政の進展に寄与することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は,次の各号に掲げる事項に基づき活動するものとする。

(1) 公開性,公正性及び透明性を確保するとともに,市民に開かれた議会を目指すこと。

(2) 市民の多様な意見を把握し,政策形成に適切に反映できるよう,市民参加の機会拡充に努めること。

(3) 市民の視点を活かし,議員の自由な議論・討論を行い,政策提言,政策立案等の強化に努めること。

(4) 市民本位の立場から,適正な市政運営が行われているかを監視し,評価すること。

(5) 議会運営は,市民の傍聴の意欲が高まるよう,分かりやすい視点,表現方法等で行うこと。

(6) 議会を取り巻く社会経済情勢の変化を的確にとらえ,新たに生ずる市政の課題等に適切かつ迅速に対応するため,議会改革に継続して取り組むこと。

(7) 常陸太田市議会会議規則(昭和42年常陸太田市議会規則第1号)常陸太田市議会委員会条例(平成3年常陸太田市条例第16号)及び常陸太田市議会先例・申し合わせ事項は,継続して精査し,必要があれば見直しを行なうこと。

(平29条例18・一部改正)

(委員会の活動)

第3条 議会は,審議の迅速かつ能率的な処理を図るとともに,議員の専門的な知識や経験を活かすため,常任委員会及び議会運営委員会を置く。また,必要がある場合には,特別委員会を置くものとする。

2 常任委員会,議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)は,社会・経済情勢等により新たに生じる行政課題に適切かつ迅速に対応するため効果的・効率的な運営により機動力を高めるものとする。

3 委員会の委員長は,市民の要請に応えるため,委員会の所管に係る市政の課題に対し,常に問題意識を持つて委員会を運営するよう努めるものとする。

4 各常任委員会は,将来を展望した政策樹立のため,政策形成機能の充実を図るものとする。

5 議会運営についての協議は,議会運営委員会において行うものとする。

6 議会は,正副委員長連絡協議会を設置することができるものとする。

(議員の活動原則)

第4条 議員は,次の各号に掲げる原則に基づき活動するものとする。

(1) 議会が言論の場であること及び合議制の機関であることを認識し,議員間の自由な討議を重んじること。

(2) 市政の課題全般について,市民の意見を的確に把握するとともに,自らの資質を高める不断の研鑽によつて市民全体の奉仕者,代表者としてふさわしい活動を行うこと。

(3) 議会の構成員として,一部団体及び地域の代表にとどまらず,市民全体の福祉の向上を目指して活動すること。

(4) 議会活動を最優先するよう努めること。

(会派)

第5条 議員は,議会活動を行うにあたり,会派を結成することができるものとする。

2 会派は,政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成し,活動するものとする。

3 会派は,議会運営及び政策立案等に関し,必要に応じて会派間で調整を行い,合意形成に努めるものとする。

4 議長は,必要があると認められるときは,別に定めるところにより会派代表者会議を開催するものとする。

(全員協議会)

第6条 議会は,議会の運営及び市政等に関し,協議・調整又は意見交換等を行うため,全員協議会を開催するものとする。

2 全員協議会に関することは,別に定めるところによる。

第3章 災害対応

(平29条例18・追加)

(災害時における議会の活動)

第7条 議会は,市民の生命又は生活に直接影響を及ぼす災害(以下,この章において単に「災害」という。)が発生した場合は,「市議会災害対策委員会」の規定に基づき,市民及び地域の状況を的確に把握し,緊急時における総合的かつ機能的な活動が図れるよう,体制の整備に努めるものとする。

2 前項に規定する災害が発生した場合における議会の対応については,常陸太田市議会災害対策委員会設置規程に定めるところによる。

(平29条例18・追加)

(災害時における議員の活動)

第8条 議員は,災害が発生した場合は,議会の災害対応の方針に基づき,必要な役割を果たすものとする。

(平29条例18・追加)

第4章 市民と議会の関係

(平29条例18・旧第3章繰下)

(市民参加及び市民との連携)

第9条 議会は,本会議,常任委員会及び特別委員会を原則公開するものとする。

2 議会は,議会活動に関して有する情報を積極的に公表し,透明性を高めるとともに,説明責任を十分に果たすものとする。

3 議会は,市民との意見交換の場を多様に設け,議員の政策立案能力を強化するとともに,政策提案の拡大に努めるものとする。

4 議会は,委員会において公聴会制度及び参考人制度を十分に活用して,市民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。

5 議会は,請願及び陳情を市民による政策提言と位置づけ,その審議において必要があると認める場合は,提案者の説明,意見を聴く機会を設けることができる。

6 議会は,市民に関わる事項・問題に関わる陳情については,関係常任委員会において調査・検討を行うものとする。

7 議会は,主要な議案に関する個々の議員の採決を公表する等,議員の活動が市民の的確な評価を受けるための仕組みを策定するよう努めるものとする。

(平29条例18・旧第7条繰下・一部改正)

(議会報告会)

第10条 議会は,市政の課題全般に柔軟に対処するため,市民への報告と市民との意見交換の場として,議会報告会を行うものとする。

2 議会は,市民との信頼関係の確保,市民への説明責任,議会活動や市政に関する情報を市民と共有するため,必要に応じて意見交換会を行うものとする。

3 議会報告会に関することは,別に定めるところによる。

(平29条例18・旧第8条繰下・一部改正)

(議会広報の充実)

第11条 議会は,市民との情報の共有化を図るため,議論の内容を市民に対して周知するよう努めるものとする。また,議員は,自らが問題意識を持ちながら広報・広聴活動を行うものとする。

2 議会は,広報委員会を設置し,議会報告会の開催や議会広報紙の発行,市議会ホームページ,本会議インターネット配信など多様な広報媒体を活用することにより,多くの市民が議会に関心を持てるよう努めるものとする。

3 議会広報委員会については,別に定めるところによる。

(平29条例18・旧第9条繰下)

第5章 市長と議会の関係

(平29条例18・旧第4章繰下)

(議会及び議員と市長等との関係)

第12条 議会審議における議員と市長等執行機関及びその職員(以下「市長等」という。)は,緊張関係の保持に努めなければならない。

2 議員の市長等に対する一般質問は,広く市政の課題に関する論点及び争点を明らかにするため,一問一答方式とする。

3 本会議及び委員会に出席した市長等は,議員から質問を受けたときは,その論点を整理するため議長及び当該委員会の委員長の許可を得て,当該議員に対し反問することができるものとする。

(平29条例18・旧第10条繰下)

(政策形成過程等の説明)

第13条 議会は,市長が提案する重要な政策,事業等について,政策評価を通して政治的責任を十分行使するため,次の各号に掲げる事項について明らかにするよう求めるものとする。

(1) 目的及び政策等を必要とする背景

(2) 事業の概要

(3) 市民参加の実施の有無及びその内容

(4) 総合計画との整合性

(5) 政策等の実施に係る財源措置

(6) 将来にわたる政策等の効果及びコスト

(平29条例18・旧第11条繰下)

(予算及び決算における説明)

第14条 議会は,提案される予算や決算の審議にあたつては前条の規定に準じて,市長に対し,主な政策説明資料の提出に努めるよう求めるものとする。

(平29条例18・旧第12条繰下)

(地方自治法第96条第2項の議決事件)

第15条 地方自治法第96条第2項の規定による議会の議決すべき事件は,市の基本構想及び基本構想に基づく基本計画の策定又は変更とする。

(平29条例18・旧第13条繰下)

第6章 自由討議の保障及び拡大

(平29条例18・旧第5章繰下)

(自由討議の保障及び拡大)

第16条 議会は,言論の場であることを十分認識し,議員相互間の自由討議を中心とした運営に努めるものとする。

2 議会は,前項の議員相互間の自由討議を拡大し,条例,意見書等の議案提出を積極的に行えるよう努めるものとする。

(平29条例18・旧第14条繰下)

第7章 政務活動費

(平24条例31・改称,平29条例18・旧第6章繰下)

(政務活動費の執行及び公開)

第17条 会派及び議員は,議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として交付された政務活動費を効果的かつ効率的に活用し,政策の形成及び決定に反映するものとする。

2 議会は,政務活動費の使途の公正性及び透明性を確保するため,収支報告書及び証拠書類等を公表するものとする。

3 政務活動費の交付を受けた会派及び議員は,市民に対し活動報告等について自ら説明責任を果たすよう努めるものとする。

4 前3項に定めるもののほか,政務活動費の具体的な運用にあたつては,常陸太田市議会政務活動費の交付に関する条例(平成13年常陸太田市条例第4号)に定めるところによる。

(平24条例31・一部改正,平29条例18・旧第15条繰下)

第8章 議会及び議会事務局の体制整備

(平29条例18・旧第7章繰下)

(議員研修の充実強化)

第18条 議会は,議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため,議員研修の充実強化を図るものとする。

2 議会及び議員は,議員研修の充実強化にあたり,市政の課題を広い視点から捉えるため,他の自治体の事例等を調査研究するよう努めるものとする。

(平29条例18・旧第16条繰下)

(議会事務局の体制整備)

第19条 議長は,議会の政策能力を向上させ,議会活動を円滑かつ効率的に行うため,議会事務局の機能の強化及び体制整備を図るものとする。

2 議長は,地方分権時代にふさわしい議会の在り方について調査・研究するため,他の自治体の議会等との交流及び連携を推進するものとする。

3 議会は,議事機関としての機能を確保するとともに,より円滑な議会運営をするため,必要な予算の確保に努めるものとする。

(平29条例18・旧第17条繰下)

(議会図書室の活用)

第20条 議会は,議員の政策形成及び立案能力の向上等調査研究に資するため,議会図書室の図書の充実に努めるものとする。

2 議会図書室の管理については,常陸太田市議会図書室条例(昭和32年常陸太田市条例第26号)に定めるところによる。

(平29条例18・旧第18条繰下)

第9章 議員の政治倫理,議員定数及び議員報酬

(平29条例18・旧第8章繰下)

(議員の政治倫理)

第21条 議員は,市民の代表者として品位と名誉を損なう行為を慎み,また,その地位を利用して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないなど,議員としての責務を正しく認識し,議会の一員として,その使命の達成に努めなければならない。

2 議員は,常陸太田市政治倫理条例(平成18年常陸太田市条例第37号)を遵守しなければならない。

(平29条例18・旧第19条繰下)

2 議員定数及び議員報酬の改正にあたつては,行財政改革の視点だけではなく,市政の現状と課題,将来の予測と展望を考慮するとともに,市民等の客観的な評価等を参考としなければならない。

3 議員定数及び議員報酬の条例改正は,市民の直接請求及び市長の提案を除き,委員会又は議員が提案し,その理由について説明するものとする。

(平29条例18・旧第20条繰下)

第10章 最高規範性

(平29条例18・旧第9章繰下)

(最高規範性)

第23条 この条例は,議会における最高規範であり,議会に関する他の条例等を制定し,または改廃するときは,この条例に定める事項との整合性を図らなければならない。

(平29条例18・旧第21条繰下)

第11章 条例の検証及び見直し手続

(平29条例18・旧第10章繰下)

(条例の検証及び見直し手続)

第24条 議会は,別に期間を定め,この条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会等において検証するものとする。

2 議会は,前項の規定による検証の結果,制度の改善が必要な場合は,この条例の改正を含めて適切な措置を講じ,市民に公表するものとする。

(平29条例18・旧第22条繰下)

この条例は,平成24年10月1日から施行する。

(平成24年条例第31号)

(施行期日)

1 この条例は,地方自治法の一部を改正する法律(平成24年法律第72号)附則第1条ただし書の政令で定める日から施行する。

(平成29年条例第18号)

この条例は,公布の日から施行する。

常陸太田市議会基本条例

平成24年9月28日 条例第24号

(平成29年12月14日施行)

体系情報
第2編 議会・選挙・監査/第1章
沿革情報
平成24年9月28日 条例第24号
平成24年12月25日 条例第31号
平成29年12月14日 条例第18号