○常陸太田市男女共同参画推進条例

平成22年3月19日

条例第1号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第8条)

第2章 基本的施策(第9条―第19条)

第3章 男女共同参画審議会(第20条―第24条)

第4章 雑則(第25条)

附則

我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、男女平等の実現に向けたさまざまな取組が国際社会における取組とともに進められてきた。さらに、男女共同参画社会基本法の施行により、男女共同参画社会の実現が21世紀の最重要課題として位置付けられた。

本市においては、平成13年2月に男女共同参画推進プランを策定し、市民との協働によるまちづくりを進める中でその推進を図ってきたところである。

しかしながら、男女共同参画社会の実現にはなお多くの課題が残されている。

今後、少子高齢化の進展や社会経済情勢の急激な変化に対応していく上で、男女が性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現はさらに推進されなければならない。

ここに、私たちは、人と地域がかがやくまちを目指し、様々な課題に積極的に取り組み、市、市民及び事業者が協働して、男女共同参画を一層推進することを決意し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進についての基本理念を定め、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、男女共同参画の推進に関する施策の基本となる事項等を定めることにより、男女共同参画社会の実現を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、共に責任を担うことをいう。

(2) 積極的改善措置 前号の機会について男女間の格差を改善するために、必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、その機会を積極的に提供することをいう。

(3) 市民 市内に居住する者、市内の事務所又は事業所に勤務する者、市内の学校に在学する者をいう。

(4) 事業者 営利、非営利を問わず、市内の事務所又は事業所において事業活動を行っている個人及び法人その他の団体をいう。

(5) セクシュアル・ハラスメント 相手の意に反した性的な言動又は性別の違いによる社会的な慣行に基づく言動により、当該言動を受けた個人の生活環境を害し又は不利益を与える行為をいう。

(6) ドメスティック・バイオレンス 配偶者又は親密な関係にある者等に対する、身体的、精神的、性的又は経済的な暴力及び威嚇、無視、行動の制限等の暴力的行為、又はそれに付随して生じる、子ども、高齢者等への暴力的な行為をいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画の推進は、次に掲げる基本理念にのっとり行わなければならない。

(1) 男女の個人としての尊厳が重んじられ、性別による差別的取扱いを受けることなく、個人としての能力を発揮する機会が確保されること及びその他の人権が尊重されること。

(2) 男女が、性別による固定的な役割分担意識に基づいた社会の様々な制度又は慣行によってその活動が制限されることなく、自らの意思において多様な生き方を選択することができ、かつ、選択された生き方を互いに尊重し、協力し合うこと。

(3) 男女が、性別に関わらず、職場、地域、学校、家庭その他の社会のあらゆる分野における意思決定の場に、対等な構成員として平等に参画する機会が確保されること。

(4) 男女が、性別に関わらず、家庭生活における活動とその他の社会生活における活動を、相互の協力と社会の支援の下に、両立して行うことができるようにすること。

(5) 男女共同参画の推進は、国際社会における取組と密接な関係を有していることを考慮し、国際的な理解と協調の下に行われること。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、実施しなければならない。

2 市は、市民、事業者、国及び他の地方公共団体と連携し、協力して男女共同参画の推進に取り組まなければならない。

3 市は、将来を担う子どもたちの教育に関し、幼少期から男女共同参画社会の形成に配慮した教育を行わなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、男女共同参画についての理解を深め、職場、地域、学校、家庭その他の社会のあらゆる分野において、積極的に男女共同参画の推進に努めるものとする。

2 市民は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、雇用等の分野において、積極的に男女共同参画の推進に努めるものとする。

2 事業者は、基本理念にのっとり、男女が職業生活における活動と家庭生活や地域生活における活動とを両立できるように、就労環境の整備に努めるものとする。

3 事業者は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(性別による権利侵害の禁止)

第7条 何人も、職場、地域、学校、家庭その他の社会のあらゆる分野において、性別による差別的扱い、セクシュアル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンス等の行為を行ってはならない。

(公衆に表示する情報への配慮)

第8条 何人も、公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分担を助長する表現、異性に対する暴力的行為を助長する表現その他人権を侵害する性的な表現を行わないよう配慮しなければならない。

第2章 基本的施策

(基本計画)

第9条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、基本となる計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。

2 市長は、基本計画の策定に当たっては、常陸太田市男女共同参画審議会の意見を聴くとともに、市民及び事業者の意見が反映されるよう努めるものとする。

3 市長は、基本計画を策定したときは、これを公表するものとする。

4 前2項の規定は、基本計画を変更する場合について準用する。

(積極的改善措置)

第10条 市は、社会のあらゆる分野における活動において、男女間に参画する機会の格差が生じている場合は、市民及び事業者と協力し、積極的改善措置を講ずるよう努めるものとする。

2 市は、審議会等の委員を委嘱し、又は任命する場合は、男女間に参画する機会の格差が生じることのないよう、積極的改善措置を講ずるよう努めるものとする。

(市民及び事業者の理解を深めるための措置)

第11条 市は、男女共同参画の推進について、市民及び事業者の理解を深めるため、学習機会の提供その他の適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

(市民及び事業者への支援)

第12条 市は、市民及び事業者が行う男女共同参画の推進に関する活動に対し、情報の提供その他必要な支援を行うものとする。

(生涯にわたる男女の健康支援)

第13条 市は、女性が妊娠及び出産に関わる身体的な機能及び権利を持つことに配慮するとともに、男女の生涯にわたる健康の保持及び増進を図るため、必要な措置を講ずるものとする。

(家庭生活における活動とそれ以外の活動との両立支援)

第14条 市は、男女ともに育児、介護その他の家庭生活における活動と職業生活、地域生活等における活動を両立することができるように、必要な支援を行うよう努めるものとする。

(男女共同参画のための教育の推進)

第15条 市は、男女共同参画を推進するために、学校教育をはじめとするあらゆる分野の教育において、必要な措置を講ずるものとする。

(地域社会における男女共同参画の推進)

第16条 市は、地域社会における男女の固定的な役割分担意識や慣行を是正し、男女共同参画による地域社会づくりを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(苦情及び相談への対応)

第17条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画に影響を及ぼすと認められる施策について、市民又は事業者から苦情の申出を受けたときは、適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 市長は、性別による差別的取扱いその他の男女共同参画の推進を阻害する人権の侵害について、市民又は事業者から相談の申出があったときは、関係機関等と協力して、適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

(推進体制の整備等)

第18条 市は、男女共同参画を推進するため、必要な体制の整備、情報の収集、分析及び調査研究に努めるものとする。

(施策の実施状況の公表)

第19条 市長は、毎年度、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況を明らかにする報告書を作成し、これを公表するものとする。

第3章 男女共同参画審議会

(審議会の設置)

第20条 男女共同参画の推進に関する重要事項について調査審議等を行うため、常陸太田市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、次に掲げる事項について、調査審議等を行う。

(1) 基本計画の策定及び変更に関する事項

(2) 男女共同参画の推進に関し、市長から諮問を受けた事項

3 審議会は、前項に定めるもののほか、男女共同参画の推進に関する事項について、市長に意見を述べることができる。

(審議会の組織)

第21条 審議会は、15人以内の委員をもって組織する。

2 男女いずれか一方の委員の数は、委員の総数の10分の4未満であってはならない。

3 委員は、市民、事業者の代表者、学識経験者及び関係機関の職員のうちから、市長が委嘱する。

4 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(審議会の会長及び副会長)

第22条 審議会に会長及び副会長を置く。

2 会長及び副会長は、委員の互選により定める。

3 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。

4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は欠けたときは、その職務を代理する。

(審議会の会議)

第23条 審議会の会議は、必要に応じて会長が招集し、その議長となる。

2 会議は、委員の過半数が出席しなければ開くことができない。

3 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは議長の決するところによる。

4 会長は、必要があると認めるときは、会議に委員以外の者の出席を求め、その説明若しくは意見を聴き、又は資料の提出を求めることができる。

(審議会の庶務)

第24条 審議会の庶務は、男女共同参画主管課において処理する。

第4章 雑則

(委任)

第25条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成22年4月1日から施行する。

(常陸太田市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 常陸太田市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和36年常陸太田市条例第7号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

常陸太田市男女共同参画推進条例

平成22年3月19日 条例第1号

(平成22年4月1日施行)

体系情報
第3編 行政一般/第3章 印鑑・その他
沿革情報
平成22年3月19日 条例第1号