- 2024年11月11日
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「常陸秋そば」の発祥地は、茨城県北部にある常陸太田市の金砂郷地区です。
久慈川の中・下流域の東側にあり、清らかな川の流れと山の緑に囲まれたのどかな地域で、ここでそば栽培が行われています。
そば畑は山あいの傾斜地に広がっています。
昼夜間の気温差の大きい、霧の立ち込める地形となっており、これが味の良いそばを育てるといわれています。
「常陸秋そば」は、この地域に栽培されていた「金砂郷在来種」から生まれたそばです。
茨城県は江戸時代からそばの産地として知られていました。
とはいっても、かつては、さまざまな地域に、いろいろな在来の種がありました。
地域ごとに形状も粒も品質にもばらつきがあり、特定の品種をさすものではありませんでした。
そこで、江戸時代からのそばどころで知られる土地に相応しいそばを作ろうと、1978年に茨城県農業試験場(現茨城農業総合センター農業試験場)の手によって新種の育成が始まりました。
新種を作るには、いくつかの方法がありますが、試験場がとったのは「在来種を使って、何代にもわたって交配し、人為淘汰しながら、目標の品種を作り上げる」というものでした。
さまざまな在来種が試験栽培され、その結果、採用されたのが「金砂郷在来種」でした
収量が多く、粒がそろっていたことが評価されたのです。
金砂郷在来種による試験栽培は続けられ、1985年、花の数の多い、より粒ぞろいのよい品種に改良されました。
茨城県の奨励品種として正式に採用された「常陸秋そば」の誕生でした。
赤土町の「採種圃」で育てた種はJAなどを通して一般の農家に渡され、常陸秋そばとなります。
つまり、多くの農家にとって大切な種を栽培する役割をになった、もっとも大切な地域なのです。
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