【写真:東金砂神社本殿】
東金砂神社は、平安時代前期の大同元年(806)宝珠上人が近江国比叡山日吉権現を勧請し、国家安泰・五穀豊穣の祈願所としたのが始まりです。主祭神は大己貴命と少彦名命で、境内には21の境内社が祀られています。
また、源頼義・義家父子が奥州征討の際に戦勝を祈願して奉納したといわれる太刀や長巻が御宝刀として大切に伝えられています。
東金砂神社では72年に一度「磯出大祭礼」が執り行われ、相対してそびえる西金砂神社とともに、500名を超える行列が、天下泰平・万民豊楽・五穀豊穣を目的として、6泊7日をかけて往復約80キロメートルの行程を神輿とともに進むことでも知られます。磯出大祭礼は、近年では平成15年(2003)に執行され、次回は2075年となります。
市指定文化財(平成25年4月25日指定)
信國は山城国の刀工で、太刀は鎌倉時代末期から南北朝時代の作と考えられています。全長111.5センチメートル、刀渡り85.0センチメートル(2尺8寸)、で、身巾が広く切先がやや伸びて反りがある鎌倉時代末期の様相がみられます。良好な状態で保存され、銘が残る貴重な太刀であり、古くから東金砂神社の祭礼に使用されています。
市指定文化財(平成25年4月25日指定)
南北朝時代から室町時代初期の作と考えられています。全長108.0センチメートル、刀渡り84.0センチメートルで、身巾がやや広く、反りが浅く、切先はやや伸びており、無銘ではありますが大和伝の作風を伝える貴重な太刀です。良好な状態で保存され、古くから東金砂神社の祭礼に使用されています。
市指定文化財(平成25年4月25日指定)
鎌倉時代初期の作と考えられています。全長140.0センチメートル、刀渡り69.5センチメートルの長巻で、先がさほど張らず反りもあまりない、品のある姿をしています。良好な状態で保存されており、古くから東金砂神社の祭礼に使用されました。無銘ではありますが、現存する長巻の資料は少なく大変貴重な資料です。
県指定文化財(昭和35年3月28日指定)
東金砂神社田楽舞は、磯出大祭礼の際などに行われる舞で、毎年2月11日におこなわれる「嵐除祭」でも、境内の田楽堂において奉納されます。現在は、氏子と神社関係者の方々で構成される「東金砂神社田楽舞保存会」によって受け継がれています。
第一段 四方固め
四方固めは序段と本段からなり、序段は嵐除祭でのみ行われます。
序段では青・黒・赤それぞれの装束の三鬼が登場し、田楽堂を3周した後に所定の位置につき、羽目抜きの年占いが始まります。これは、東に浜方(海の方面から来た参詣者)、西に陸方(内陸方面から来た参詣者)がそれぞれに樫の棒を持ち、堂の東側の羽目板を早く抜き終えれば浜が大漁、堂の西側の羽目板を早く抜き終えれば陸が豊作とされる行事で、打ち抜き終えると拍子木が高らかに打ち鳴らされ、「浜大漁・陸豊作」などと、勝った方の勝ち名乗りをします。
続く本段は天孫降臨の故事にちなんで舞われ、白衣、白足袋に金襴地の狩衣と袴を身につけ、羽毛で飾られた木彫の金鳥の冠を頂く猿田彦命の舞手が太刀・柄太刀・矛・筥祓の順で持ち物を持ち替え、四方を固め、天下泰平を祈ります。
第二段 獅子舞
笑いの面の舞手と獅子が登場する舞で、獅子に象徴される荒ぶる神々が、笑いの面に象徴される大国主命によって平定される様子を表現するとされます。また、獅子が姿勢を低くして這うように舞うところから、農産物の害虫を獅子が食べて駆除する豊作を祈る舞であると言われています。獅子頭は木彫本朱布張塗で毛付、覆は青色の木綿で白抜きの唐草模様で、笑いの面の舞手も、獅子と共柄の上着・栽着を着て白い羽毛を戴き、左手に獅子頭の尾を握り、右手に金鈴を持ちます。
第三段 巫女舞
巫女舞は神慮(神のおぼしめし)を慰める舞とされます。白衣、白足袋、緋の単衣と袴を着た上に、白絹に模様青摺の舞衣をまとい、巫女の面に天冠を戴き、垂髪を付けた舞手が、巫女舞の音曲に合わせて、一歩進むごとに両手に持った鈴を胸前で上下に振り二度鳴らす動作を繰り返しながら、四方に進んで舞います。
第四段 三鬼舞
赤無地木綿の襦袢と栽着、赤い上着を着て、頭に茶色の羽毛を戴き松明を持った赤鬼、黒無地装束に斧を持った黒鬼、青い装束に金棒を持った青鬼が、それぞれの持ち物を振りかざして、足音も荒々しく舞った後に、神前の神猿たちを追い散らし、護摩餅を奪い取り、黒鬼の斧で真っ二つに割ります。
割られた護摩餅は小分けされて、参詣者たちにお守りとして配られます。
県指定文化財(昭和47年12月18日指定)
社務所前の御神木で、樹齢約500年、高さ約8メートル、目通り幹囲3.4メートルです。
モチノキは主に西日本に多く自生し、よく庭木として植栽される常緑高木で、葉は厚く光沢があり、長楕円形をしています。春には淡黄緑色の小さな花を開き、球形赤色の核果を結び、木質は堅く緻密で、印材または挽物用とされ、また樹皮は染料やとりもちとして用いられます。
東金砂神社のモチノキは、その昔和久村に住んでいた者が、心願を掛けて東金砂神社に奉納したとされ、御神徳によって粳米の稲穂が、糯の稲穂に変じたという言い伝えが残ります。
また、霊験によって、この古木につながれた馬は、粗相をしないともいわれています。
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