枕石寺は真宗大谷派で、真宗二十四輩の第15番目の寺院です。
寺伝では、建暦2年(1212)のある雪の降る夕暮れ、親鸞が性信(しょうしん)と西仏(さいぶつ)の2人の弟子を連れて布教活動をしていた折、大門村(現常陸太田市上大門町)を訪れ、日野左衛門頼秋に一夜の宿を求めたところ断わられたため、石をまくらに雪の中に寝たといいます。一方、頼秋はその夜、千手観音が現れ「旅人に慈悲を」と頼秋を諭した夢を見ます。頼秋は早速親鸞たちを家に入れて非礼を詫び、教えを受けて出家し、弟子となり入西房道円(にゅうさいぼうどうえん)と名を改めました。
道円は大門に一宇を建立し、親鸞の枕した石にちなんで寺号を「枕石寺」としたそうです。その後、枕石寺は貞永元年(1232)には内田村(現常陸太田市内田町)へ、さらに天文9年(1540)現在の地に移り、水戸藩第2代藩主徳川光圀により現在の「大門山伝燈院」の号に改められました。
【写真】入西作「雪中枕石之御真影」
市指定文化財(昭和42年8月31日指定)
三部妙典とは浄土三部経といわれるもので、「無量寿経」上下2巻、「観無量寿経」1巻、「阿弥陀経」1巻の三部、計4巻から構成されます。枕石寺には、4巻のうち、「阿弥陀経」1巻を除く3巻が残されています。
「無量寿経」は浄土宗、真宗の根本経典で、上巻では阿弥陀仏が因位(仏果を得るために修行する地位)において四十八願を建て、西方極楽を成就した因果を説き、下巻では衆生(いっさいの人類)が極楽へ往生する因果を説いています。「観無量寿経」は、釈尊が摩掲陀国王頻婆沙羅の后妃偉提希に説いた教えでもあり、「阿弥陀経」は阿弥陀の功徳と極楽のことを述べた経文となっています。
1673年に光圀が寄進したものと伝えられています(本尊・造像は鎌倉時代と推定されます)。
「大」「心」「海」の銘があります。
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