馬場八幡宮は、天喜4年(1056)、前九年の役に向かう途中の源頼義が、当地にあった熊野神社の境内に陣を張り、社前に置いた2枚の平大石に石清水八幡宮の御神霊を祀り祈願したのが始まりです。主祭神は誉田別尊(応神天皇)で、境内には10の境内社が祀られています。
平安時代後期以降、この地にて勢力を拡大した佐竹氏は、馬場八幡宮を守護神として崇め、初代の昌義は社殿を造営し大田郷の総社としました。また、4代当主の秀義は改めて京都石清水八幡を勧進し、以来佐竹氏は同社神前で元服儀式を行うことが習慣になったと言われています。
その後、20代当主、佐竹義宣は天正19年(1591)に水戸城へ移りますが、その翌年には当社の分霊を水戸八幡宮に奉遷し、社宝である瓶子一対のうちの一つを分納しています。
市指定文化財(昭和48年2月15日指定)
高さ26.1センチメートル、口径5.4センチメートル、胴径16.3センチメートル、底径9.6センチメートルです。口縁部が一部欠けていますが、形はよく整っていると言えます。瓶子とは、酒を入れて注ぐのに用いる、丸い壺形で口の狭い瓶を指します。箱書には「阿蘭陀焼瓶子 安永五丙申年(1776)九月吉日」とあり、オランダからの渡来品と伝えられていますが、オランダ製ではなく瀬戸焼とみられます。元々は、水戸八幡宮に分納された瓶子と一対であったと考えられます。
市指定文化財(昭和48年2月15日指定)
縦34.3センチメートル、横36.4センチメートルで、応永13年(1406)12月8日に大工七郎三郎家次によって作られた、佐竹氏の家紋と同じ五本骨扇です。神社の正面に紐によって吊るされたとされ、扇面の両端に穴があけられています。表面には「八幡大菩薩」と彫られ、裏面には八幡大菩薩への祈願文が彫られています。作者の家次が、家族の無事息災を八幡大菩薩に祈願したものと考えられます。
久昌寺……馬場八幡宮から約2.5km
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