国指定重要文化財(昭和51年2月3日指定)
現在の「資料館」は、旧茨城県立太田中学校講堂として建築されました。明治37年12月1日に竣工し、多くの卒業生の思い出の場として親しまれてきました。昭和51年2月3日には、国の重要文化財(建財1977号)に指定されました。
指定時の文化庁の調査では、「明治時代における洋風建築としての重要な遺例であり、損傷も少なく堂々としている。これは、設計者と請負師の技術と心が合致していたことと、特に御影石の質と工法のすばらしさに起因する。」と賞されました。
設計者の駒杵勤治氏は、山形県新庄市の生まれで、明治35年に東京大学建築科を卒業と同時に茨城県から招聘され、旧県立商業学校、旧土浦中学校本館の設計を手がけました。
いずれの建物も、ゴシック、ロココ様式に基盤をおき、その上に当時流行のスティックスタイル(木骨様式)を加味しています。講堂については、同じ様式のものが、旧龍ヶ崎中学校、旧水海道中学校、旧高等女学校にも建てられましたが、唯一現存するのは旧太田中学校講堂だけです。
建築を請け負ったのは常陸太田市生まれの山口子之松氏でした。山口氏は、旧太田中学校講堂を手がけてから洋風建築に強い関心を持たれ、梅津会館(元太田市役所)、旧太田警察署、旧太田税務署、太田簡易裁判所、旧太田中学校記念館、旧太田高等女学校等を請け負い、その技術と手法には定評がありました。
旧講堂に入ると、建築に携わった当時の関係者の教育にかけるあふれる情熱や、新しいものを積極的に取り込んでいく進取の精神をひしひしと感じさせられ、旧講堂が本校生の精神的拠り所になっていると言っても過言ではありません。
講堂正面の演壇、そこに置かれた演台に彫られた校章、天井の木組み、コリント式の柱頭飾り、そのどれをとっても当時の息吹を感じさせられます。(太田一高さんのHPより)
撮影:常陸太田ビデオ研究会 / 協力:茨城大学人文社会科学部歴史・考古学メジャー
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