不軽山荘厳院と称する浄土宗の寺院です。開基帳によると、永享4年(1432)に常福寺(那珂市瓜連)三世明誉上人によって開かれました。
県指定文化財(昭和45年9月28日指定)
香仙寺東側の山腹に奥行11mの岩窟があり、その中央の奥室後壁に、阿弥陀三尊像が彫られています。阿弥陀如来坐像を中央に、右側に観音菩薩立像、左側に勢至菩薩立像が刻まれており、平安時代後期に作られたものと推定されます。旧瓜連町(現那珂市)常福寺第2世了誉聖冏(りょうよしょうげい)上人が、常福寺の類焼や佐竹の兵乱をのがれるために嘉慶2年(1388)から應永3年(1396)までの間この洞窟にこもり「決疑鈔直牒」10巻を著したと伝えられており、これが直牒洞の名前の由来になっていると考えられます。
平成28年度には直牒洞の測量調査が行われ、中央窟の左右壁面に灯明等の照明器具が置かれていた可能性のある穴の存在が確認されました。
今回の一般公開では、阿弥陀三尊が照らし出された状態をご覧いただけます。
県指定文化財(昭和46年1月28日指定)
根本周囲約12m、目通り周囲約9.5m、樹高約25m、推定樹齢約600年で、シイとしては県内有数の巨樹です。了誉上人は直牒洞にこもり著述10年、その間食糧として、柿・椎の実を食したと伝えられ、その椎の木が現存しています。
香仙寺本堂の東にある山腹には、石窟であり横穴墓でもあった直牒洞(じきてつどう)があり、奥には阿弥陀三尊が彫られています。香仙寺にあるこの不思議な文化財を、ご紹介します!
撮影:常陸太田ビデオ研究会 / 協力:茨城大学人文社会科学部歴史・考古学メジャー
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